主宰の高橋さんから(酒宴の席で!)突然ご指名いただき、
イベントディレクターについて書くことになりましたJunkoです。
イベント企画制作会社のディレクターという立場から、
イベントの企画から、実施、報告までの流れを、
初心者でも簡単に分かりやすく理解できるよう、
体験談を交えながらレクチャーしていきたいと思っています。
1年間で6回掲載の予定です。
どうかお付き合いくださいね。

第6回 イベントの運営と報告 現場のディレクションってどうやるの? 終わった後の業務は?

イベントの運営には細心の注意を払い、突然のハプニングに対しても冷静に判断をし、最終的には高い評価を得る結果へと導かなければなりません。
今回は、イベント当日の動きやディレクション時のコツを中心に、お話を進めていきましょう 。

●イベントに合った服装を
 

制服やスタッフジャンパー等が貸与される場合は別ですが、イベントの開催目的や来場対象者、クライアントの社風を踏まえた服装をするようにしましょう。
かしこまったイベントではスーツが基本。柔らかいイメージのイベントでしたら、白いシャツ(ポロシャツ等)に、下はダーク系の服装か動きやすいチノパン等で。女性の場合は、会場内を動き回ることを考慮し、どのようなイベントでも、スカートは避けた方が無難です。

●会場入りは一番に
 

前日までにリハーサルを完璧に終えていたとしても、当日何が起るかわかりません。イベントにもよりますが、展示会の場合、初日は開場の2時間前、2日目以降は1時間から1時間半前を目安に、早めに会場に入っておきます。
クライアントや代理店より遅い会場入りでは、ディレクションに対する不信感を抱かせてしまう可能性もありますので、遅刻しないよう充分注意してください。

●初日の開場前のチェックとリハ
 

会場内施工が実施初日の朝までかかったり、当日搬入されるものがある場合、所定の位置に置いてあるはずのものが、別の場所に移動されていることがあります。会場内のチェックは忘れずに行いましょう。
また、前日までに行われていたリハを、念には念を入れて、できるだけもう一度行うようにしましょう。

●全体朝礼とスタッフ朝礼
 

既に全スタッフに運営マニュアルを渡してあったとしても、再度イベントの実施・進行内容を確認する意味で、必ず開場前には朝礼を開きましょう。
クライアントか代理店が司会する全体朝礼をした後に、MCやコンパニオン、各オペーレーターを集め、ディレクターが進行するスタッフ朝礼を行うのが望ましいでしょう。
全体朝礼では、イベントを成功させるためにスタッフ全員が一団となって取り組むように、と言った大まかな話がされます。これだけですと、各々のスタッフの業務内容が明確になりませんので、スタッフ朝礼を行うというわけです。
スタッフ朝礼では、各セクションやコーナーでの業務内容や注意点を伝えます。最後にスタッフ全員の時計を合わせ、スタンバイとなります。

●会場全体から細部まで見て、適格なディレクションを
 

いよいよ本番スタート。時間と共に、様々なプログラムが進行して行きます。
ディレクターは、これらプログラムが順調に進むよう、時間を見ながら、スタッフや来場者、会場全体といった周囲に、常に気を配って指示を出して行きます。
各プログラムをスタートさせるキュー出しや、BGMや映像、照明、展示物稼動へのキュー出し指示の他、スタッフが指示通りの動きをしているのかどうかチェックして指導したり、来場者がブース内に入りやすいようMCやコンパニオンに呼び込みをさせたり、また会場内が汚れていたらADに片付けや掃除をさせる…等、細かいところまでディレクションをします。
ここで忘れてならないのは、クライアントの看板を背負っているということです。来場者は、その場にいるスタッフ一人ひとりが、企業(クライアント)の社員であると思っています。ディレクター自らが社員の一人となって率先して行動し、全スタッフも同様に業務を遂行するよう、ヤル気を喚起させるようにしましょう。イベントの現場は、ある種ひとつの職場と言えます。気持ち良く仕事できる職場を目指して、雰囲気づくりに励むのも、イベントディレクターの仕事の一つなのです。

●万が一トラブルが起こったら…
 

あらゆるケースを想定して準備を整え、万全を期していたとしても、残念ながらトラブルに見舞われることがあります。こんな時こそ、見事な采配ぶりを発揮できるのかどうか、まさにイベントディレクターとしての手腕が試されるのです。

トラブルの一例としてよくあるのが、約束の到着時刻までに人や物が来ないケース。間に合わない場合は、スタート時間を後回しにする等、タイムスケジュールや進行内容を変更しなければなりません。
時間は刻々と過ぎていきます。のんびりと悠長に「どうしましょう?」と、質問している暇はありません。トラブルが発生したら、すぐさま原因を究明して、関係各所に打診し調整をします。余計な混乱を避けるため、関係スタッフに対しては「もしかしたら変更になる可能性がある」といった程度にとどめておき、決して大げさに話さないようにしてください。
次に、チーフディレクターまたは代理店担当者に最良策を提案し、クライアントの最終判断でGOが出たら、即行動します。変更になるプログラムに関わるスタッフに連絡をとり、事情を簡潔に説明し、変更内容を間違いなく伝えるようにします。

あとは、変更された展開内容が確実に進行するよう、適宜指示を出してゆきます。

この他にも様々なトラブルが起こり得ます。先程も触れましたが、全体を見渡し、進行状況をきちんと把握していれば、突然のハプニングに即時対応できるはずですね。
どんな場合においても、イベントディレクターに要求されるのは、瞬時の判断力と決断力、行動力、そして統括力なのです。
ただし、「時間がない」「瞬時」とは言え、焦りは絶対に禁物。見当違いな結論しか出せないのはもちろんのこと、先頭に立つディレクターが慌てていたら、指示を受ける側はそれ以上に慌てますし、不安にさえなってしまいます。進行の肝心要、常に落ち着いて行動するようにしましょう。

●全体夕礼とスタッフ夕礼
 

一日のイベントが終了したら、全体とスタッフの夕礼を行いましょう。
来場者数報告や明日の集合・朝礼開始時間等の業務連絡の他、当日の進行でもし問題点があるようでしたら、夕礼もしくは明朝礼までに、改善した内容をスタッフに報告、指示しておきます。
夕礼が終わったら、清掃と整頓をして、ブース内の電気ブレーカーを落とし、バックヤード(ストックルーム、スタッフ控え室、舞台裏、オペレーター室等)の戸締まりをして終了。一番最後に会場を出ます。

●最終日の片づけ
 

最終日のイベントは、ほとんどの場合、30分から1時間早く閉会します。閉会すると撤去作業が一気に始まりますので、開会時間中にできるだけ片づけをしておくようにします。
音響・映像機器、展示物、レンタル品等の搬出を見届けながら、代理店やクライアント、他スタッフに挨拶をして、忘れ物がないかチェックをした後、自分が持ち込んだ荷物を搬出します。ブース施工に関わった場合は、ブース撤去作業を最後まで立ち会うようにしましょう。

●報告書の作成
 

イベントが終了した後、開催結果を報告書としてまとめ、提出する場合があります。
内容としては、
・実施概要(イベントタイトル、開催日時、開催場所、主催者名等)
・数値データ(会場全体の来場者数やブース内来場者数、アンケート回収数、粗品配布数、パンフレット入出庫数等)
・コーナーやプログラム内容別実施風景写真
・アンケート集計報告
・お客様対応(相談受付)票
・スタッフ業務日誌
・今後の課題点と解決策の提案 等
が挙げられます。
イベントディレクターのみが自己満足する報告書ではなく、クライアントや代理店が社内文章として取り扱うことを念頭において、作成するようにしましょう。


これで、一通り一つの展示会が終了しました。
いかがでしたでしょうか、イベントディレクターの仕事について、大筋を理解していただけましたか?
まだまだ書き足りない事項はたくさんあるのですが、そこは皆さん、ぜひイベントに従事して、体験し会得していってください。
『習うより慣れろ』
手取り足取り丁寧に教えてくれる先輩ディレクターは、あまりいないのが現状。失敗と成功を繰り返しながら、自らの経験を積んでいかなければなりません。が、言い換えれば、自分の力を大いに試せる職業でもあるのです。チャレンジ精神旺盛な人にはもってこいの職業。ぜひイベントディレクターを目指してみてくださいね。きっとやりがいがあるはずです!
イベントディレクター うら話こぼれ話ここだけの話
イベント会場で、いつも笑顔で応対しているコンパニオン。しか〜し、彼女達を誤解して捉えている人達 ―特に男性陣!?― が多いようなので、ここでひとつお灸を据えておきましょうね(笑) 一言二言喋るだけとか、写真一枚撮るぐらいならいいんですが、しつこく電話番号を聞いたり、嫌味を言ったり、ひどい時には身体に触れてきたりする人もいて。表には出さないけれど、裏で落ち込んでいるコンパニオンだっているんですよ。嫌がらせに近い行動をする人を見つけたら、黙っちゃおけない! 正義の味方、イベントディレクターがすっ飛んでいって、丁重にお断りをします。でも、たいていは「何よあの人! あったまくるぅ〜!!!」と、見えないところでうっぷん晴らしをする、ちょっとやそっとでは負けない強いコンパニオンの方が多いのが現状です。ま、いずれにせよ、「何事もほどほどに」というところでしょうか、ね?
■後記 今回で、『イベントに行こう! イベントディレクター入門』は終了となります。1年間お付き合いしていただき、本当にありがとうございました。
展示会に的を絞ってお話してきたため、他イベントの進行とは違っている点もありますが、基本的な部分はほぼ同じ。皆さんが大小様々なイベントを開催する際、このコラムが少しでもお役に立つことを切に願っています。
Junkoって誰?
セールス・プロモーション・プロデュース事務所代表。 広告代理店営業、SPプランナー、イベントディレクター、シナリオライター等を生業にして十数年。仕事が片付くと、ふらふらと夜の街を徘徊する、無類のお酒好き。「この一杯が美味しいのよね♪」…徹夜、睡眠不足でも関係ナイ! ご意見ご感想、お待ちしています。j-waka@air.linkclub.or.jp

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