By Sue(from Site Sue)●1 DTP/印刷関連での画像作成に話を絞って●2 なるべく製作サイドに必要なとこだけを●3 初心者でも気楽に読めるようにがモットーっす。※今回Photoshop6での設定をメインに書き直しました。さらに印刷業者の方等にアンケートをとり、印刷物データを作る上でより良いと思われる設定数値に変更し直しました(02.12.09)。
第5回●色の話その3/色の管理実践_Photoshop制作サイド用ぶっちぎり設定法(改)

前回でモニタ、環境の調整は終わりました。さて、今度は実際にPhotoshopで画像データを作った際にどのようにすれば印刷時に失敗がないのか、そこを検証します。

Photoshop上での色の管理はVer.6.xの場合「編集」メニューの「カラー設定」(Ver.5.xは「ファイル」メニューの「カラー設定」。Ver.5.xでの設定をご覧になりたい方はこちらで全て行います。今回紹介するのは問答無用最強のカスタムぶっちぎり設定法。プロファイルなんぞ知らん!添付してきても受け付けん!(笑)…いやしかし、出力まで面倒が見られない現在、現場はこういう方法で無難に乗り切るのが一番と思うっすよ。マジで。後の事は世の中がもっと進んだらその時にまた考えりゃいいのです。

※Painter等はICCプロファイルに対応した設定がないのと、EPSデータに出来ない>どちらにしてもPhotoshopを一度通さなければ印刷用データにならない為、今回はPhotoshopのみに話を絞ります。ちなみにICCプロファイルがPhotoshopで本格的に採用されたのはVer5.0からで、4.0以前では使えません。

※「詳細設定モード」の項目は、基本的にデフォルトのままで問題ありませんので、今回は説明を割愛します。

【作業用スペース>RGB】

ややこしい話ですが、一口にRGBと言っても表現する色の幅がOSやソフトウエアメーカー等によって異なります。この色の表現の幅のことをカラースペースと呼びます。「RGB設定」とは、モニタ上での画像表示RGBモードで画像データを制作する時のカラースペースを決めるところです。※モニタの表示のみを管理する場ではありません。実際の制作したRGB画像にも十分関わってきますのでご注意を!

「RGB:」のメニューを開くと、6種のカラースペースがあらかじめプリセットされています。このうち、印刷に関係してくるのは一般的に下の4つです。

ではこの4つの中では何を選べばいいの?ということになるのですが、基本的にはどれでも構いませんが、下の表にあるように「モニタRGB」は多少注意が必要でしょう。印刷・DTPということに限って言えば、一般的にAdobeRGBまたはAppleRGBが広く使われているようです。(個人的な意見ですがAppleRGBの方がRGBからCMYKに変換した時に違和感がない感じがします)もしも仕事等でデータを入稿する先方の設定がわかるのなら、そこと合わせておくのが無難です。
RGBモニタ 今実際に使用しているモニタのカラースペース。前回で作ったモニタプロファイルを基準にしています。※自分の手持ちのモニタが基準ですから、当然カラースペースとしては独自のものになってしまいます。品質の悪いモニターだと、カラースペースそのものがあまり良くない場合もあるので注意が必要です。
sRGB IEC61966-2.1 Windows98の標準カラースペース。色の再現域はあまり広くない代わりにどのような環境でも色の再現を統一しやすい。web制作用にも向いている。
AdobeRGB Ver.4.X以前のPhotoshopでSMPTE-240Mという名前で規定されていたカラースペース。色の再現域が広い。
AppleRGB Ver.4.X以前のPhotoshopやDTPアプリケーションで使用されたカラースペース。色の再現域はあまり広くない代わりにどのような環境でも色の再現を統一しやすい。

【作業用スペース>CMYK/グレー/スポット】

【CMYK】

CMYK設定とは他のモードからCMYKにモード変換をする際にどのように変換するのかを設定する所です。CMYKに変換する、ということは印刷インキ(またはそれに近いプリンタ等)で刷る、ということが前提になるわけですから、ここは印刷インキに関する設定がいろいろ入っているということになります。まず「CMYK:」のメニューを開き、一番上の「カスタムCMYK」を選びます。これは5.x以前のバージョンの「CMYK設定」とほぼ同じ設定ダイアログになっており、「印刷インキ設定:」「色分解のオプション:」の2項目に分かれています。

「印刷インキ設定:」>「インキの色特性:」ここは印刷インキにどのようなものを使い、どんな紙に刷るのかを設定します。欧米や日本の標準の設定がいろいろ入っているわけですが、ここでは「SWOP(コート紙」をおすすめします。これはアメリカの印刷の仕様ですが、一番無難です。※「ドットゲイン:」は実際に印刷した時の網点の太り(ハンコを強く押すと実際の絵柄よりもにじんで太く写りますよね?あれと同じ現象と思っていただければいいです)を設定する項目です>「インキの色特性:」を選択すると一緒に標準の数値が選択されますので、いじる必要はありません。

「色分解オプション:」>まずここで頭に入れておかなければならないのが印刷する時のインキのGCRとUCRの概念です。CMYのインキはある一定量重なるとグレーになってしまいます。で、このCMYが重なってグレーになってしまった部分をK(黒)版で置き換えて、インキのロスを無くしましょう、というのがGCRとUCRという設定です。ハイライト部分のグレーから置き換えるのがGCR、50%付近から置き換えるのがUCRです。

「色分解の種類:」基本的にはGCRで構いません。

「黒版生成:」(「色分解の種類:」GCR設定時のみ)黒版に置き換える率を設定します。ここも標準のままで良いでしょう。ちなみに「なし」はまったく黒版を作らないもの、以下「軟調」「標準」「硬調」の順に墨版に置き換える率が高くなり、「最大」でグレーを全て墨版に置き換えます。通常の写真やイラスト画像等で「なし」または「最大」にすることはまずないと思って良いでしょう。(UCRの場合>UCRは基本的に50%付近から置き換えることが決まっている設定ですので、UCRを選ぶとこのメニューは選択できません

「黒インキの制限:」「インキの総使用量の制限:」印刷の際にインキを最大何%まで刷り重ねる事が出来るか、うち黒版は何%まで最大刷る事が出来るか、を設定します。双方デフォルトのまま(「黒インキの制限:」100%、「インキの総使用量の制限:」400%)だとCMYKそれぞれ100%までめいっぱいインキを紙にのせる事が可能になります。しかし印刷する紙によってはこれではインキが濃すぎて乗らなくなってしまう場合があります。

ちなみに日本雑誌協会(http://www.j-magagine.or.jp/)では「雑誌広告共通・データ入稿仕様書」というものを作成しており、ここではインキの総使用量を300%と決めています。仕事をするメディアによってこういう決まりがある場合にはそれを優先した方が良いかと思います。 印刷屋さんに基準があるなら、聞いてみるのもいいかもしれません。汎用的な設定を考えるなら、個人的には「インキの総使用量の制限:」を300%程度、黒インキの制限もそれに合わせて80%程度に下げるのが良いのではと思います。

「UCA(下色追加の量):」(「色分解の種類:」GCR設定時のみ)使い方次第ではより深みのあるシャドウ部を再現する事が出来ますが、めったに使わない設定です。そのまま(0%)にしておいて良いでしょう。

【グレー】ここは「Glay Gamma 1.8」を選びます。

【スポット】ここはデフォルトのままでも構いませんが、もしも仕事等でデータを入稿する先方の設定がわかるのなら、そこと合わせておくのが無難です。

設定し終わると、左図のような状態になります。

【カラーマネージメントポリシー】

さて、ここはとってもわかりやすいですよ。すべての設定を「オフ」!プロファイルなんぞ知らん!添付してきても受け付けん!とはこういうことなのです(笑)。中途半端なプロファイルのやりとりをして、変な色に変換してしまうよりは、もういさぎよく無視してしまう事をおすすめします。ハイ。いや〜お疲れ様でした。

※ちなみに「プロファイルの不一致」の「開く時に確認」チェックボックスを外すと、自動的に添付されているプロファイルを破棄して画像を開いてくれます(最初だけ確認ダイアログが出ますが)。よそから来た画像を開こうとする時に毎度「埋め込まれたプロファイルの不一致」ダイアログボックスが出てくるのが煩わしい、というアナタは試してみてください。

●おまけ1●「作業用スペース>CMYK」の例外設定
今回お話したのは、いわゆる汎用的な設定なのですが、中には例外の設定を行うと良い場合もあります。

・スクリーンショット等、もともとグレーが多い画像をCMYK変換したい場合
「色分解の種類:」はGCRで、「黒版生成:」を「最大」にします。要はグレー部分は全て墨版のみになりますので、スクリーンショット等はきれいに仕上がる、という理屈です。 (「黒インキの制限:」/「インキの総使用量の制限:」は前述の設定のまま)
ただし、イラストや写真画像はこの設定にするとやたら墨っぽくなり、きれいな階調になりませんので御法度です。(イラストで黒の輪郭が多いものも「最大」にはしない方が良いでしょう)

・ポスター制作(B0版)など大判の制作
「色校時点でチョット墨っぽい(または、もっとあざやかに!)といわれることがまれにある。この場合は
『色分解の種類:』をUCRにするとうまくいく」という意見を今回のアンケートでいただきました。大判制作をされている方は試してみるといいかもしれません。(「黒インキの制限:」/「インキの総使用量の制限:」は前述の設定のままで良いでしょう)

●おまけ2●作業用スペース>CMYKの「Japan Standard v2」プロファイルについて
カラー設定の全てをまとめた設定部分に「プリプレス用-日本」というデフォルト設定があり、これに組み込まれているのが「
Japan Standard v2」プロファイルです。PhotoshopVer.6で日本の印刷向けのプロファイルはこれのみとなります。しかし現在これをそのまま使っている業者は少なく、今回紹介したようなカスタム設定を行っている場合が多いようです。

ちなみにこのプロファイルを使いRGB→CMYK変換をするとR0/G0/B0(いわゆる黒)がC75/M68/Y67/K90になるようです。インキ総使用量300%、黒インキの制限90%といったところでしょうか。
将来プロファイルが本格的に導入される時代が来て
Japan Standard」のバージョンが上がっていけば、無視出来ないものになることは間違い無いでしょう。業界がある程度の汎用設定を何種類か作るような時代が来ればいいのですがね…。

次回はついに最終回>スキャナの話あれこれ。
最後は私の得意分野(?)スキャナのあれこれです。スキャナのしくみから、市販のスキャナの正しい選び方まで。次はきっともう少し気楽に読めるはず。よろしくです〜。

このページを書いた/描いたひと.....Sue
イラストレーター。RGMにも登録しています。ホームページ はこちら。http://www.ne.jp/asahi/sue/illust/ こちらは純粋にイラスト等の作品展示をやってます。

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